サラリーマン必見! これからの時代の生き方 「パラレルキャリア」

イクラおじさん

人生100年時代になったと言われるけど、まだ50年近くあるよ。
そのあいだどんな生活を送ればいいのか悩ましいよねえ?

ままさん

この先何十年も同じ仕事をしていくのは難しいわよねえ?
どうやってこの先生きていくのか? いまののうちから考えないと

いけないってこと?

イクラおじさん

この先どうやって稼いでいくのかも大事だけど、「自分にとって
充実した生き方
」を決めることがもっと大事なんだよ!

「パラレルキャリア」という言葉は、経営学・経済学の大家であるP・F・ドラッカー教授が、
1999年に「明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命」という自身の著書の中で
提唱した、これからの社会での生き方・働き方についての考え方です。

今から20年以上も前の執筆ですが、いまだに色あせるどころか、時代の方が教授の考え方に
追いついてきているという印象です。

ではこの「パラレルキャリア」とはいったいどんな考え方なのか解説します。

目次

パラレルキャリアについて解説

パラレルキャリアとはどんな考え方なのか?

パラレルキャリアを日本語直訳すると「並行している経歴」となり、複数の経歴を
同時並行で身につけている状態を指します。

また、ドラッカー教授は著書の中で「本業を持ちながら、第二のキャリアを形成すること」
と記述しています。

この「第二のキャリア」とは副業だけを指しているのではなく、趣味や社会貢献活動、
自分のスキルアップのための学習活動など、さまざまな活動や経歴の事を意味しています。

たとえば、会社員として平日の勤務時間を勤めながら、休日や早朝・夜の時間を使って
イラストを描いて発表するなどの生き方が、パラレルキャリアにあたります。

この根底にあるのは「より豊かな人生を生きるために」という考え方です。

定年退職するまでひとつの会社のために人生を捧げる生き方は、価値観が多様化した
現代社会では、もはや魅力的な生き方ではありません。

個人がより豊かに生きることを考えたとき、複数のキャリアを並行で走らせた方が、
生きる楽しみや、人間関係の厚みも増し、より充実した人生を送ることができます。

また、第二のキャリアで新たな収入を得たり、新しいキャリアで得たスキルやモチベーション
により、本業に相乗効果が生まれ、パフォーマンスが上がるなど、さまざまなメリットが
考えられます。

どうしてパラレルキャリアが昨今注目されているのか?

それでは次に、昨今なぜ「パラレルキャリア」が注目されているのか整理します。

働き方の多様化

日本企業の主流であった、終身雇用制度や年功序列賃金は制度の維持が困難となり
終わりを迎えました。

一つの社内に、正規社員、契約社員、派遣社員などさまざまな雇用形態が混在する時代です。

また、自分に合った会社を探して自由に転職する人も増えています。

特にアメリカでは、企業に雇用されずに個人で契約を結ぶ「フリーランス」という働き方が
一般化しており、2027年には正規雇用をフリーランス雇用が上回ると予測されています。

このように、働き方や雇用形態が多様化し、ひとつのキャリアにこだわらず複数のキャリアを
形成する考え方、すなわち「パラレルキャリア」が注目されています

大企業が経営危機・経営破綻する時代

かつては、優秀な大学を卒業し、大企業に就職すれば、雇用が担保され、安定した収入を
生涯にわたって得ることができました。

しかし、特にリーマンショック以降、様々な業種の大企業が経営危機や経営破綻に見舞われる、
もしくはそうなる前に大規模なリストラを断行して、経営を保全する時代となりました。

現在は、大企業に就職できたからと言って「安泰だ」とあぐらをかける時代は終わり、
会社からリストラされても社会で生きていけるように、常に個人の能力やスキルを磨き続け、
継続的に成長を図る時代
です。

AI(人工知能)の台頭

さらに昨今起こっている社会環境変化として、「AI(人工知能)の台頭」があります。

特に大企業では、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進」と称して、
独自に専門部署を設立して、予算を確保したうえでAIを導入しつつあります。

一般的な事務作業や管理職の決裁業務などは、AIに代替されるようになると言われており、
2020年5月に公表されたマッキンゼー・アンド・カンパニーの調査では、2030年までに
日本中の業務の27%が自動化され、約1660万人の雇用がAIに代替される可能性がある
と指摘しています。

このような社会変化から、現在の自分の職能やスキルはAIに取って替えられるのか
どうかをしっかり考え、AIでは代替できない「人間ならではのキャリア」を新たに
形成しなければならない時代
となっています。

withコロナの時代・テレワークの進展による雇用スタイルの変化

新型コロナウイルス感染症の拡大により、半ば強制的に広がったテレワークは、
働き方改革を加速させる結果となりました。

テレワークは、情報通信技術を活用し、時間や場所の制約を受けずに自宅などで柔軟に
働く形態を指します。

このようにまず、働く環境が大きく変わり、これによって人々の働く意識が大きく
変わりつつあります

この意識の変化により、パラレルキャリアのニーズが高まっています。

さて、いったいどのような意識の変化が起こっているのか? 以下まとめました。

▶ テレワーク普及により、半数以上の労働者が「仕事への向き合い方などの
  意識が変化した」と回答するとともに、「(仕事よりも)⽣活を重視するよう
  に変化した」と回答

  (20年6月:内閣府調査による)

▶ コロナ禍により「キャリア観に変化があった」と回答する割合は約半数となり、

  このうち「企業に依存せず、自律的にキャリアを形成する必要を感じた
  と回答する割合は9割を超えている
  (20年4月:株式会社ビズリサーチ調査による)

▶ キャリア観に変化があった人々のうち「
どこでも活躍できる自身の強みを
  可視化する必要があると感じた」と回答する割合、「新しいスキル習得の
  ために時間を割く必要があると感じた」と回答する割合はそれぞれ9割を超える
  (20年4月:株式会社ビズリサーチ調査による)

このような人々の意識の変化には以下のような背景が考えられます。

▶ テレワーク化により、通勤時間がなくなり、社内会議や取引先との挨拶など、
  無駄な時間を過ごすことが少なくなった。業務の効率が上がったことにより、
  自らの生活の充実や、新たなキャリアの開発のために時間が使えるようになった。

▶ リモートワーク化で企業が「人手が過剰と感じている」割合が急増しており、
  働く人々の雇用に対する危機意識が高まっている。

パラレルキャリアと副業との違い

一般的に副業とは、収入を増やすために本業以外の仕事をすることを指しますが、
パラレルキャリアは「稼ぎを増やす」が目的ではありません

大切な人生の時間を、スキルアップや能力開発などの継続的な自己成長のために
有効に活用することが第一の目的
です。

収入アップよりも、個人の人生をより豊かにすることを目的にしているのが
パラレルキャリアです。

ただ、元々は収益を目的としなくても、パラレルキャリアな生き方を実践する
事によって、結果的に収益を生むことはあります


たとえば、会社勤めをしながら、NPO活動や地域のボランティア活動など、収益を
目的とせず始めていたが、のちにクラウドファンディングなどのスポンサーが現れて、
マネタイズが成功するような事例があります。

また、最近は「ココナラ」や「NOTE」などのWeb上のプラットフォームを活用して、
個人の趣味・芸術やデザインのアウトプットなどを、それを必要とするお客に
販売して、個人ベースで収益化する事が可能となっています。

自分に合った「生き方」「キャリア」をデザインしよう!

パラレルキャリアは、自分らしい生き方を見つけるための指標となる考え方です。

本業できちんと実績を出しながら、人生の充実のために自分の好きな事や、チャレンジしたい
課題に本気で取り組む。

このような取り組みや努力により、自らの「持続的成長」を図っていく生き方が
「パラレルキャリア」です。


稼ぎや地位を上げることが目的ではなく、過去の自分と今の自分とのギャップをできるだけ
大きく上にあげていくことが目的となります。

また、本業も第二のキャリアも共に「楽しいからやる」という価値観を取り入れて実行する
事がとても大切です。

なぜなら「キャリア」は「ライフ=人生」の一部であり、キャリアを楽しんでやるから、
人生が楽しく充実したものになるからです。

自分に合ったキャリアをデザインすることが、楽しい人生をデザインすることになります

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